【 概 要 】−今井家は屋号「近江屋」を掲げ代々長岡藩(新潟県長岡市:本城−長岡城)の御用商人だった事から財力を蓄え1000町歩余りの大地主へと成長しました。江戸時代以後は家業が多角化し、薬局、醸造業、病院、銀行などを行い周囲に多くの影響力を持ちました。現在残る建物群もその当時の様子を伝えるもので、向って左側にある2階建てのレンガ蔵は明治20年代に造られた建物で寄棟、瓦葺きの屋根に銅板で仕上げられた6角形の塔屋が印象的です。右側の建物は大正時代に建てられた旧今井銀行で最盛期では3000軒にものぼる小作人の貯蓄を義務付ける為設立されたとされます。建物はレンガ調の洋館で当時の銀行建築らしく重厚な造りで、銅板で仕上げられたパラペットや窓廻りの意匠など洋風建築の要素が見られます。特に玄関のアーチの上には大黒様の彫刻が鎮座し庇も凝った意匠が施され上部の窓はファンライト風のデザインに付柱、レリーフなど正面性を強調しています。香林堂(旧今井銀行)は「国土の歴史的景観に寄与するもの」、「再現することが容易でないもの」、「造形の規範となっているもの」との登録基準を満たしている事から国登録有形文化財に登録されています。
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